お知らせ

2023/03/05

JWO(Just Walk Out)について

Just Walk Outとは、レジを通過せず買い物ができるシステムの一つです。アマゾンがかなり力を入れており、2016年Amazon Goの小型店を皮切りに、現在ではAmazon Goの中型店、Amazon Fresh、Whole Foods Marketにも導入されています。また、他の小売業へのシステム提供も行っております。

Amazon Freshにて。ダッシュカート利用時には無料の紙袋が、JWO利用時は有料です。センサーが働くからでしょうか。

天井には無数のセンサーが設置されています。それと併せて陳列什器にも重量センサーが設置され、来店客の動作と商品の重量差によって購入アイテムを判断していきます。

デリコーナーにもセンサーが設置されています。セルフアイテムは重量のユニット売りではなく、バラ売りと同じ「サイズごとに1個いくら」の販売手法です。

ゲートがついており、アプリのIn Store Codeをスキャンすると、自動的に精算がされます。

Whole Foods Marketにて、右側のゲートはJWOではなく、レジ清算用のものです。こちらでもほとんどがレジ清算を使用している感じでした。

陳列什器は生産性向上のためか、写真のようなボックスを使い、手間のかけないオペレーションスタイルを採用しています。商品管理についてはAmazon Freshと比較しても鮮度差は歴然で、陳列も整然とできています。なぜ、Whole Foods Marketのノウハウを移植しないのか、疑問に感じるところです。

たまたま購入客の精算シーンを撮影できました。右側の従業員も特に注意を払っているわけではありません。

カリフォルニア州では、万引き犯罪が社会問題となっておりますが、JWOでは重量で判断されているので、システムにミスがなければ、不正の心配がなくなり、レジや係員の負担が大きく軽減されます。

Amazon Goの郊外型中型店。目の前は警官ですが、たまたま買い物をしてきたようで、何か犯罪があったわけではありません(笑) Amazon Goでも、JWOを使わないで利用できるシステムになっております。

上部のセンサーがかなりの数ついているのが分かります。

デリコーナー。相対でオーダーするのではなく、手前のオレンジ色の端末からオーダーをする形です。

3店とも大きさに差はあるものの、仕組みには大きな違いありません。

なかでも触れましたが、JWOであるにもかかわらず、利用者はあまり多くありません。

便利なシステムなはずなのになぜでしょうか?

①Response:買物してからの詳細レシートが届くのが2時間後

ダッシュカートと異なり、入力せずただ買物袋に入れていくだけですから、実際にいくら購入しているかが分かりません。小型店のAmazon Goでは、即時に買物レシートがメールにて届いていた記憶があるのですが、今回は2時間以上後に届いていました。もちろん、アプリを立ち上げて確認すれば、すぐにわかるのですが、それでは手間がかかり面倒に感じる人が多いのではないでしょうか。

②Accuracy:センサーの正確性

私自身は少ない買い物点数であったため、なかったのですが、ネット上には、誤入力が多い点がかなり指摘されています。その対応もかなりの手間のようで、敬遠されている大きな要因となっているようです。小型店では、スムーズに対応している感じましたが、売場の守備範囲が広がるとなかなか難しい面が出てくるようです。

③Assortment:売れ筋に偏った品揃え、目立つ欠品

システムそのものではなく、使い勝手の問題も影響しているようです。Amazonは在庫管理やレコメンドについてはアドバンテージを持っていますが、購入頻度が多く、一度の欠品が来店を遠ざける要因となる小売業の基本となる部分については、まだ対応が不十分な印象を受けました。

この辺りは実店舗のノウハウをどのように吸収し、自分たちの強みとして転換していくかが注目されていくでしょう。

課題としては、アマゾンであっても完全にJWOの利用を促すには至っておらず、顧客への価値提供に向けた試行錯誤が続いている点です。一部でも通常の取引が残っていては、なかなか生産性向上や不正防止という形にはいきません。しかし、日本国内で考えていても、人口減少や人手不足の問題から、JWOは魅力的なシステムとして選択肢に成長してほしいところです。顧客側の視点も意識しつつも、事業者側の視点も意識しながら、この活用を検討していく必要があると感じました。

 

 

2023/02/19

Amazon Dash Cartを使ってみて

2023年2月8日~16日までアメリカに行っておりました。

メインの目的は、ロサンゼルスで展開されているAmazon系のDXを視察、体験することです。

2月上旬にアマゾンは「Amazon Freshの今後新規出店を凍結する」とのアナウンスがあり、今後のAmazon Freshの動向は不透明な状況です。なかなかリアルではネットような反応が得られていないようです。

Amazon Freshのツールの一つになっているAmazon Dash Cartはセンサーを内蔵し、その場でのスキャン、入力で自動的に精算ができ、レジを使用せずに買い物ができます。実際に3店舗のAmazon FreshでAmazon Dash Cartを使ってみました。

Amazon Fresh店頭。

入口に並ぶAmazon Dash Cart。左側の写真ではあらかじめ買物袋がセットされ、その中に入れていけば、精算後取り出すだけです。

初期画面。

Amazon Dash Cartを使用するには、アメリカのAmazonプライム会員になる必要があります。

プライム会員になると、アマゾンのショッピングアプリを立ち上げるとメニューに「In-Store Code」が表示され、そこをタップすると、QRコードが表示され、それをスキャンすることで買い物ができるようになります。

まず、最初の買い物はこんな感じでした。

慣れていないので、2度スキャンしてしまいましたが、カートには重量センサーがあり、画面上は1個として認識されていました。Amazon Dash Cartの一つのポイントがこの重量センサーです。重さによって、買い物時の間違いを防ぐだけでなく、不正防止にもつながるシステムになっています。

一度スキャンした商品を取りやめて、キャンセルしました。商品を取り出すと、重量センサーが反応し、購入が取り消されました。画面上では商品名に横線が引かれ、購入されていない状態になりました。

バーコードのないオレンジを購入してみました。 カートの中に入れると、エラーメッセージが出てきます。 と同時に、購入候補が画面上に表れ、オレンジが出てきました。 場所が認識されているので、想定する購入アイテムが画面に出てくる仕掛けになっています。 オレンジのボタンを押すと、商品を一度取り出すようにメッセージが出てきます。

取り出した後、画面上でオレンジを入力してから、カートの中に入れます。 量り売りで重量センサーで認識し重さを確定すると、金額が入力されます。

次にPLU入力での買い物です。 ショーカードに記載されているPLUを入力し、商品があっていれば、オレンジと同様、カートで重さを認識し、会計されます。

最後にカートを出れば自動的に精算されます。

なかなかな優れものといえますが、既存のレジやカートと革新的な違いや価値があるかというと、決定的な差はまだ感じられないのも事実です。結構重量感もあり、男性の使用が目立っていたのも問題があるように感じました。

今回は使っていませんが、レコメンドやアプリと連携したショッピングリスト、クーポンをはじめとしたプロモーションは、まだメリットとしての訴求までは至っていないようです。

しかしながら、このAmazon Dash Cartはさらに進化し、新たなツールとしての可能性を秘めているのは間違いありません。自動運転やピックアップができるようなれば、バーチャルでの買い物ツールとして買い物難民や遠隔でのサポートとして過疎地域での出番が考えられます。また、人手不足の中、不正防止や生産性向上にもつなげられそうです。

このツールをいかしながら、買い物の楽しさを伝えていけるかがポイントになっていくよう気がします。

多くが向かい側の人のように通常のカート(オレンジ色)を使用していました。通常のカートは7割くらいの利用でしょうか。ちなみに、右側の男性は電話で指示を受けながら買い物していました。ある意味での遠隔買い物ですね。右奥は店頭で買い物客に商品を届けるカーブサイドピックアップのスタッフ。店内ではこのスタッフが圧倒的に多く、10個前後の買い物を一人で対応しています。もちろん指示はスマホ端末からです。

数少ないAmazon Dash Cartの女性利用客。アプリの情報チェックか、スマホを見ながら買い物していました。

Amazon Freshでは4店舗買い物してきましたが、どのお店も買い物客の姿がまばらでした。

素早く買い物を済ませられるため、滞在時間が短い可能性もありますが、私がいた時間を考えるとその可能性は低そうです。売れ筋に偏った商品構成、生鮮品の割引品が目立ち鮮度面での不安、商品欠品状態など、いくつかの要因は考えられます。お客様は何を目的にわざわざそのお店に足を運ぶのか、その理由を考える意味でもAmazon Freshの動向はポイントになってきそうです。

2022/09/01

HPリニューアルしました

9月1日よりHPリニューアルし、公開しました。

提供する支援・事業内容の見直し、これまで執筆したコンテンツをリライトし、PDFで見てもらえるようにしました。

今後も随時情報提供していきますので、どうぞよろしくお願いします。

2022/05/23

【電話中止】事業復活支援金の事前確認について

現在、事業復活支援金の事前確認の問い合わせを数多くいただいております。

電話での受付は中止しております。お手数ですが、HP内の問い合わせフォームからお願いします。

また、返信にも時間がかかる場合があります。予めご了承ください。

勝手を言いますが、よろしくお願いします。

2022/05/23

フーコット飯能店の記事

小売流通業界のWebメディアの「リテールガイド」さんより、フーコット飯能店の記事を担当しました。
ヤオコーが別会社を設立し、新たな事業として展開するEDLPフォーマットの1号店です。
品揃えとフォーマットについてを分析しました。

詳しくはこちらまで。

2022/05/23

ビオラル丸井吉祥寺店の記事

小売流通業界のWebメディアの「リテールガイド」さんより、ビオラル丸井吉祥寺店の記事を担当しました。
ライフプロデュースのナチュラル志向ブランド「ビオラル」の店舗化展開の関東初出店です。
現状の評価と今後の事業展開をどのように考えるかを分析しました。
詳しくはこちらまで。

2022/05/23

ツルヤ前橋南店の記事

小売流通業界のWebメディアの「リテールガイド」さんより、ツルヤ南前橋店の記事を担当しました。

長野県外では初出店となるツルヤ南前橋店の青果売場、および青果加工品の商品と売場のポイントを紹介しております。

詳しくはこちらまで。

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